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財政投融資とは

●国のお金の使い方。

●国の財政における投資や融資という使い方。

●予算とは違い、返済が前提の貸し付け。
政府機関が税金に頼ることなく独立採算で事業を継続できるようにしたもの。

民間の金融機関が貸し出しにくい
大規模プロジェクトや長期的な貸し出しに対応するのが目的。

●財政といって頭に浮かぶのは道路工事、年金・医療などの社会保障、防衛費などだろう。
これらは基本的に税金や国債発行を原資とした予算で行なわれている。

●税金や公債を原資とする国の一般会計と地方の普通会計を合わせると160兆円。
それに対して財政投融資は15兆円。
財政投融資は国の財政全体から見るとさほど大きくないが
意外と身近ところで役立っている。


身近な財政投融資の代表例

①[奨学金]

実際に奨学金を支給するのは日本学生支援機構だが、
その奨学金は貸与型と言われ、卒業後20年の間に返済することになっている。
国から借り入れて、貸与を受けた人から返済を受けた時に 国に返済すればいい。

②[マル経融資]

日本政策金融公庫から無利子無担保の融資を受けるような場合。
①と②の2つのケースで国が供与する資金を財政融資という。

国としては
補助金のような渡し切りのお金として予算計上することも考えられるが、
奨学金は毎年1兆円前後、公庫の融資は他の制度も合わせて5兆円前後支出されている。
全部税金で賄うとすると、合わせて消費税で3%近い負担が必要。

しかし、いずれ返済されるお金なのだから
国としても融資するだけで政策を実施することが可能であり、
税金に頼らず世の中に貢献することができる。

③[産業投資]

融資と異なり返済は行われない。
しかし、事業が軌道に乗ってくれば利益の中から配当金が支払われる。

気の長い話にはなるが、いずれ出資が回収できると期待するからこそ出資ができる。
事業がうまくいけば、株式の売却益も得られると考える。
ただ、出資のリスクは高い。


財政投融資の仕組み

●補助金との比較で資金の流れを見る。
補助金の場合は、
税として集められた資金が国を経由して 渡し切りの資金として公的機関に補助金の形で渡される。

●一方、財政投融資の場合は
金融市場から集められた資金が財政投融資を経由して投融資(投資や融資)の形で財投機関に供与される。
そうでないと、財政投融資に資金を提供した人たちに返済できなくなってしまう。
なお、財政投融資を受ける期間のことを財投機関という。

財政投融資の特徴

●補助金と違って将来返って来るのが前提の有償資金であること。
●融資や出資など、金融的手法を使った財政政策であること。
●国民の税負担を最小化しながら政策を進めることができる。
●ある程度の採算性が見込まれる場合は、
税金で手当てするよりも財政投融資による金融的手法で支援した方が適切な場合がある。

財政投融資の課題と果たすべき役割

●財政投融資は金融的手法による財政活動。

金融は突き詰めれば金利を通じてリスクを評価管理するもの。
資金「額」に、「期間に応じた金利」が考慮されなければならない。

●金融としてリスクは評価・管理されているのか、
正しい金利が設定されているのか、
長期事業の最終的な財政コストはいくらで便益はどうなのかなどといった基準で見られるべき。

●深刻な経済危機(リーマンショックなど)や緊急の復旧が求められる際(東日本大震災など)や
大規模・超長期プロジェクトなどの民間金融で背負いきれないリスクテイク。

●ベンチャー起業の創業などリスク性の高い分野への成長資金供給。

財政投融資改革

2001年、財政投融資の改革が行われた。
目的は50年間続いた仕組みに非効率が生じていたため。
 
前後の違いを簡単に言うと
「何のお金を財政投融資に使うのか」が変わった。
 
「今まではみんなが郵便局に預けていた貯金を勝手に財政投融資に使ってたけど、
それじゃ悪りぃから
これからは金融市場で債権を売って得たお金を使うようにしようぜ」
というイメージ。
 
つまり
以前は郵便局に貯金されたお金が大蔵省の資金運用部というところに集められて
財政投融資の資金になっていた。
そのため財政投融資で実施する事業の資金需要の大きさと関係なく
資金が集まり続けるのが問題だ、となっていた。
 
これらの是正のために財政投融資の資金の入口が見直された。

財政投融資改革の前後

改革前は国民の郵便貯金を勝手に使っていた。
改革後は債券を発行して調達するようにした。

具体的には

【改革前】

郵便貯金の全額預託義務があった。
(国民の郵便貯金は大蔵省資金運用部が預かって財政投融資に使う)
 

【改革後】

預託義務を廃止。需要に応じて市場から資金を調達する形になった。
(債券を売って調達する)
 
 
 
郵便貯金をしている人が承知だったならいいのだが
実際ほとんどの人たちは知らなかったので
実質、泥棒のように勝手に使っていたに等しかったということだ。
 
 
ということで
改革の前後で具体的に何が変わったのかというと、
 
改革前は国民の郵便貯金を勝手に使っていた。
改革後は債券を発行して調達するようにした。