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親子断絶、家庭内離婚、愛人騒動、
家庭内暴力、不登校、引きこもり、うつ病。
家庭と職場は密接にリンクしている⁉︎
 

クレームの変遷

一昔前のクレームは、商品に対するものが中心だった。
品質が悪いとか、使い方がわからないとか。

この手のクレームは、返品に応じたり、
また使い方を教えたりするだけだから
クレームを受けても精神的な傷にはなりにくかった。
 
ところが今は商品に対するクレームではなく
自分を大切に扱ってくれなかったということに対するクレームが多くなっている。
 
 
 
この「自分を大切に扱って欲しい」という客は
マニュアル的に対応したら、相手はおざなりにされたと感じて傷つく。

すると逆上して、辛辣な言葉を電話受付の女性にぶつける。
この時は相手を傷つけることそのものが目的だから
本当にひどい言葉を選ぶ。
電話を通して怒りの感情をぶつけるわけだ。
 
しかも、その怒りというのは商品に対する怒りではなく、
全く別の出来事が引き金になっていることがある。
 
例えば年配の男性が若い女性に対してクレームを言う際には、
自分の娘に対する怒りを転嫁してぶつける場合がある。
また女性なら、夫に対する怒りを転嫁する場合もある。
もちろん当人は無意識だ。
 
 
 
この怒りを電話受付の担当者は受けるわけだけど、
怒りという感情は行動によってしか解消されない。

ところが、お客様は神様だという思想が社内に根強かったりすると
その怒りを会社で出すことができずに家庭に持ち帰ることになる。
 
つまり怒りのキャッチボールが会社と家庭で行われているということだ。
 
 
怒りなどの負のエネルギーや感情に対しての対処法を
多くの人は間違っている。 
 
大抵の人はそういった感情を「出してはいけない」と教えられる。
「感じてはいけない」と思うから抑制する。
 
でも、怒りというのは感じないことは不可能だし抑制しても消えない。
つまり適切に発散する必要がある。
 
怒りやストレスは抑制せずに人に迷惑をかけない形で
適切に解消するそのスキルを高めていくことも重要だ。
 
 
 
会社の文化は採用と解雇の際に作られやすい。
採用と解雇は、社員の格好の噂話になる。
 
その噂話で共有される情報を通して、
会社は値踏みされ、会社に対するイメージが定着する。
 
だからこそ1番大重要なのが、問題社員を解雇した後の社内コミニケーション。
細心の注意を払い、会社の対応が正当だったという評価を、
社内のキーマンから得ておかなければならない。
 

会社と家庭は密接に関わっている

多くの人は会社と家庭を別の概念として捉え、
両者の関連性を探す人は少ない。
でも家庭内での問題は職場から持ち込まれる場合が多い。
 
怒りやストレスは基本的には
”強いものから弱いものへ”と流れる。
 
 
 経営者
  ↓
 従業員
  ↓
 家族(奥さん)
  ↓
 子供
  ↓
 同級生や小動物
 
 
この流れを通して怒りやストレスは社会を回り続ける。
怒りは伝染する。
 
経営者に怒りが溜まり、従業員に向けられる。
それは各家庭に持ち帰られ、妻に向けられ、子供に向けられ、それは友人に向けられる。
怒りのキャッチボールを社会全体で行っている。
 
 
 
家庭内での夫婦関係が上手くいかなくなると
子供が調整役になる。
無意識に。
 
ある子はいい子になり、ある子は悪い子になり、
ある子は道化になり、ある子は病気になる。
 
 
病気や問題行動の顕在化を見て
初めて両親はその問題解決のために一致団結する。
 
しかし子供は、病気の完治や問題の解決は
すなわち夫婦間の団結の終了だとわかっているから
深層心理では解決を望まない。
 

起業家と実務家

多くの新規事業や起業家が失敗する理由は
起業家と実務家のエネルギーのバランスが取れていないから。
まずアイデアがあってそれを形にする力が加わって
初めて果実が実る。
 
どんなに素晴らしいアイデアであっても
それを仕組みにしないとビジネスにはならない。
 
例を挙げると、ソニーで言えば井深大と盛田昭夫。
本田で言えば本田宗一郎と藤澤武夫。
こういうのが起業家と実務家のコンビといってもいい。
カリスマ社長の影には有能な実務家がいることが多い。
 
 

 
 
起業家は自由と混乱が大好き。
管理者は規制と安定が好き。
起業家と管理者は水と油の関係だ。
 
会社にとってどちらも必要なんだけど、
起業家のエネルギーが強すぎると管理部門が弱体化する。
会社はいつになってもシステム化することができず、
現状のままにとどまってしまう。
 
 
 
起業家と実務家が出会うと成長期になる。
成長期は黙っていても顧客が来る。
自分の実力以上に
押し上げられるように売り上げが上がっていく時期。
 
そうすると会社のマネジメント能力を超えて売り上げが上がるので、
品質の低下、配送上の問題、売掛金の焦げ付きなどの
様々な問題が降りかかってくる。
 
 
この段階にからさらに会社が成長していくためには、
実務家は管理者と組んで日常業務をシステム化していかなければならない。
ここで3人目の管理者というのが必要になる。
 
管理者とは、会社で言えば一般的には経理部門だ。
ルールを決めたり日常業務をルーチン化したりして短期的な効率を重視する。
 
企業の成長段階に応じて、活躍する役者が違う。
これをもっとわかりやすく言い換えると、
会社を作り上げていくドラマは実は桃太郎と同じ。
 
 

組織運営の理想は桃太郎

桃太郎は、鬼が島に鬼退治に出かけようというアイデアを思いつく。
アイデアを思いつく桃太郎は、起業家だ。
 
桃太郎がある歩いていくと、そこに犬が鬼退治に加わる。
犬は主人に忠実に尽くすので実務家だ。
 
次に猿が鬼退治に加わる。
猿は知恵の象徴。
システム化が重要な仕事である管理者の役割。
 
最後にキジ。
キジは愛と勇気の象徴。
グループ全体を上から眺めてまとめ上げるまとめ役。
 
 
このように桃太郎の物語を会社経営になぞらえると、
起業家・桃太郎が鬼を退治するというミッションを持って
実務家、管理者、まとめ役に出会い、
最終的に宝を持ち帰るという物語になる。
 
 
① 桃太郎 起業家   (軍人)
② イヌ  実務家   (魔術師)
③ サル  管理者   (官僚)
④ キジ  まとめ役 (恋人・道化師)
 
 ※①は③と、②は④と反発し合う。
 
 
会社経営においても、
桃太郎の物語と似たような順番で必要な役割を登用し、
事業を成長させていく。
 
最後のまとめ役というものは結構重要。
この役割のエネルギーが少ないと、社内はすぐにバラバラになってしまう。
 
どんな人かと言えば、
社内でお母さんと呼ばれるような存在。
”この人がいるとほっとする”という存在。
小さい会社の場合には、社長の奥さんやサポート部門の優しい女の子が
この役割を果たすことが多い。
 
しかしそんな中で
会社が大きくなったり、また会社の分裂が深刻だったりする場合には
もう1人まとめ役が出てくることがある。
 
それは、問題社員。
 

問題社員が教えるもの

会社が大きくなったり、会社の分裂が深刻だったりする場合には、
問題社員というもう1人のまとめ役が出てくることがある。
 
問題社員が病気になることによって、
その人のケアのために会社がまとまる。
または問題社員の悪口を言い合うことによって他の社員がまとまる。
 
要するにスケープゴートであって、
会社のために犠牲になってくれているわけだ。
 
  
 
そういう立場の人は、
その職場のネガティブなエネルギーを受け取りやすい、
感受性の強い人が多い。
 
 
このような問題社員が現れる背景を知っていれば、
問題社員を問題として扱うのではなく、
逆にその人の感受性の強さを活かせるようになる。
 
世の中のほとんどの会社は、問題社員を厄介者にしてしまう。
でも本当は彼らこそ大切にするべきということだ。
 
問題社員こそ、アンテナ役になって最も早く的確に、
会社の問題をあぶり出してくれるというふうに考える事が重要だ。
 
 
つまり問題社員というのはその人物個人の資質や個人特有の問題ではなく、
職場が問題社員を生む土壌の役目を果たしてしまっていると考えなければならない。
 
メニエール病を発症した社員がいるなら、その会社は
メニエール病を発症させるシステムを内包しているということ。
 
うつ病を発症した社員がいるなら、その会社は
うつ病を発症させるシステムを内包してしまっているということだ。 
 

組織崩壊の流れ

この主要な役割がわかると
いよいよどうして組織の崩壊が起こり出すのかがわかる。
 
 
成長期に入る頃に、起業家である社長は実務家を雇う。
はじめのうちは、お互い仲が良い。
 
両者ともに売り上げを伸ばすことが楽しくて仕方がない。
だから24時間365日働き続ける。
その結果、会社はどんどん成長しだす。
 
すると、それまでは目が行き届いていた細かなところが
どうしてもおろそかになってくる。
 
名前を見れば顔が思い出せた顧客も、次第に名前と顔が一致しなくなる。
事務的なミスが増え、サービスレベルが下がる。
にもかかわらず、成長期だからどんどん忙しくなる。
 
その日常業務を切り盛りしているのが実務家だ。
実務家は夜10時になっても11時になっても会社で仕事をしている。
 
実務家も人間だから限界がある。
そこで実務家が起業家に頼む。
「もう限界です。人を雇いましょうよ」。
 
この段階で、たいていの会社は営業事務や経理を雇う。
これが3人めの役者、管理者だ。
 
自分たちが1番不得意で、やりたくない仕事を任せられる人を雇うわけだ。
そうすれば起業家も実務家も、
面倒な伝票、請求書の発行、売掛金の回収等の事務作業をやらなくて済むからだ。
 

 
 
〈第一段階〉

成長に向かって、一歩を踏み出し始める。
この時期は仕事が辛く家庭は円満。
 


〈第二段階〉

成長に向かって見事離陸。
この時期は仕事は好調、家庭で歪みが出始める。
歪みは家庭の1番弱いところ、とりわけ子供を通じて現れ始める。


〈第3段階〉

成長の最終目標回の分かれ目。
この時期は仕事は好調だが、人間関係で問題が勃発。
家庭は、お互い期待をしないことでバランスを取るあきらめムード。


〈第4段階〉

仕事と家庭のバランスの回復。
仕事においては人を指導する立場への旅。
家庭においては主導権争いから相互依存への進歩。
 
 

まとめ

マスコミに登場する成功物語は
往々にして輝いた面の部分だけに光が当てられている。
 
でも、それでは成功者のほんの1面しか理解できない。
こういったことを丁寧に学んで知っていれば、
その成功の裏側には何があるのかを予想する力がつく。
 
するといわゆる世間で成功したと思われている人が
精神的にはとても不幸であったり、
逆にフーテンの寅さんのような
どう見ても社会的な脱落者が本当のヒーローであったりすることが
見通せるようになると思う。
 
 
日本経済全体は、多くの問題を抱えている。
現在、日本では経済は危機的状況を迎え、
社会ではリーダーシップが失われ、誰も混乱を収集できない。
高度経済成長期に生み出された家庭の歪み
(不登校、引きこもり、家庭内暴力、援助交際、熟年離婚、うつ病など)
が噴出している。
 
多くの人は家庭の問題を職場での問題と関連があるとは思っていない。

でも実際には怒りやストレスなどのエネルギーは
経営者、従業員、家庭、子供、友人と伝染するし
子供や家族への怒りが企業へ転化されたりする。
 
怒りやストレスは社会を循環する、
複雑かつ大きなシステムの中を回り続けている。
 
警告アラームは日増しにピーピーと大きく鳴り響くにもかかわらず、
誰もが目を覆うばかりで、行動できていない。
この歪みを、どこから直し始めなければならないのか?

それは僕自身であり、あなた自身。
 
つまりこの知識を得た各個人でしかない。
 
 
 
 
 
〈参考〉
成功者の告白 (講談社+α文庫)