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Facebookの【仮想通貨”リブラ”】って何⁉︎

 
国家権力への挑戦⁉︎
マネーロンダリングの温床⁉︎
一体何が起きているのかを考える。
  
書ききれなかったので連載企画として
今回は第一回という事で。
 
 
 
【第一回、仮想通貨の立ち位置を理解する】
 
 
この「リブラ」を理解するには
人類の歴史の大きな流れを把握する必要がある。
 
人類の歴史、まずは産業革命という視点で見ていく。
 
 
 
 

人類が体験した4度の産業革命


産業革命とは、

ある技術が生まれることによって
その後の社会構造が劇的に変わること。
 
 
第一次産業革命 : 農業革命
第二次産業革命 : 工業革命
第三次産業革命 : 情報革命
第四次産業革命 : ??革命
 
 
 


第一次産業革命 〈農業革命〉


農業革命以前の人類は、狩猟採集による移動生活をしていた。
 
しかし縄文時代の終わり頃に朝鮮半島から稲作が伝来。
米作りが行われるようになったことによって
狩猟採集のために移動を続ける必要がなくなった。
 
米を作れば倉庫に置いておくことができるので、
生活の安定感が圧倒的に増した。
ここから人類は定住生活をするようになった。
 
農業革命がもたらしたものは、
稲作による定住生活。
 
 
 


第二次産業革命 〈工業革命〉

工業革命は18世紀にイギリスで起こった。
今までは職人が手で物を作っていたが、機械で物を作るようになった。
 
人間の職人が作っていたものは数が少なく値段も高かったため庶民は手が出なかった。
 
しかし機械による大量生産によって商品の単価が劇的に下がり、
一般庶民も物の豊かさを手に入れることが出来るようになった。
日本の高度経済成長も機械による大量生産があってこそ。
 
 
 
工業革命がもたらしたものは、
大量生産によるさまざまな商品の一般への普及。
 
 
 

 


第三次情報革命 〈情報革命〉

インターネットの発明によって
情報の記録・伝達を瞬間的に行うことを実現したもの。
情報伝達における時間と空間をなくしたとも言える革命。
 
情報の伝達手段であった手紙のやり取りが電子メールになり
瞬間的に届くのが当たり前になった。
 
そしてその送られた情報が
どこから送られたかということの重要性も極端に下がった。
 
あるメールが
東京から送られたとしても、
大阪からでも、
中国からでもブラジルからでも
受け取ってしまえば同じ。
 
会社に出社しなくても
自宅でインターネットを介して仕事をしたり
英会話教室に行かなくても自宅でスカイプを使用して
フィリピンの方から英会話を習うようなことが出来るようになった。
 
 
情報革命がもたらしたものは、
パソコン一台ありさえすれば
情報伝達における時間と空間の概念が無くなった社会。
 
 
 

人類が体験する4度目の産業革命


第四次産業革命は 
IoT(Internet of things)と呼ばれるもの。
物のインターネット。
  
このIoTが人類4回目の産業革命になるといわれている。
簡単に言えば
あらゆる物がインターネットにつながり、
人間でなくAI(人工知能)が仕事を行うようになるというもの。
 
 
IoTとは、
目に見えるありとあらゆるものをパソコンを介さずに
直接インターネットに繋いでしまおうというもの。
 
今まではスマホ、パソコンを通して“人間が”
電子空間に情報を送るのが当たり前だった。
 
 
しかしIoTが普及した世界では
冷蔵庫が、車が、
着ている服が、かけている眼鏡が、
履いている靴が、スポーツで使うボールが、、、
 
目に見えているありとあらゆる物が
インターネットにつながる。
 
そして人間の手を介さずに
“直接”、仮想空間に情報を送る。
 
 
その結果として
インターネット上に膨大な量の情報がたまる。
このたまった膨大な情報をビッグデータと言う。
 
ビッグデータはその膨大さゆえに、
人間が解析することは到底不可能。
このビッグデータを解析させるために開発が進められているのが
AI(人工知能)だ。
 
 
 

AI(人工知能)


物理空間にある物から電子情報を仮想空間に送り、
その解析をAIにさせ、最適解を提案してもらって
それを物理空間に還元する。
 
 
今まで人間がやっていた
 
 ① 情報収集
   ↓
 ② 情報分析
   ↓
 ③ 論理的に最適な考えの提示
 
を全て人工知能が代わりにやってくれる時代になっていくということ。
 
だから人工知能でもできる仕事は
どんどん人工知能に置き換わっていくとみられている。
 
 
「そもそも仕事とは何なのか?」という、
人間の仕事が根底から変わっていく。
 
 
 
 
人工知能はいわゆる“プログラム”と違い、
ビッグデータを解析・それを基に判断を下すので
人間よりも論理的に正しい判断を下す確率が高くなる。
あらゆる分野でAIによる超効率化が進む。
 
「その仕事は、人間よりも人工知能の方がいい仕事をするのではないか?」
もしその答えが「YES」であれば、その職業は衰退して行く。
人間の代わりに、人工知能がどんどんやって行くことになるからだ。
 
 

人間の代わりに機械が頭脳労働をする


第二次産業革命は
人間の代わりに機械が”肉体労働”をするようになった革命。
 
それに対してIoTは、
人間の代わりに機械が”頭脳労働”をするようになる革命。
 
 
人間がするよりも人工知能がした方が、
速く・正確で・効率が良い仕事ができる分野は、
これからどんどん人工知能が仕事をしていくことになる。
 
 
この大きな時代の流れを理解した上で、
「ではこれからどの分野のどの仕事が人工知能によって自動化されていくか?」を考える。
 
 
 
 

最も大きな影響を受けるのが「金融」


これらの技術(IoT、ビッグデータ、AI)が普及すると
上記のようにありとあらゆる分野で人々の生活を変えていくと言われているが
その中でも最も大きな影響を与えると言われているのが
 
「金融業界」である。
 
 
どこで言われているかというと、ダボス会議。
スイスのダボスに各国の経済・政治のトップが集まり
今後の世界経済を話し合うが、
その中で僕たちの暮らしを最も大きく変えるのが金融業界であり、
それによる影響も大きいだろうと言われている。
 
 
金融の仕組みは、
これまでの135年間変わっていないので無駄が多い。
お金の融通に、銀行というあんなに大きな建物と、
あんなに大人数の銀行員が本当に必要なのか?
要らない。
 
  
 
 
 
==================
 
お金という情報管理において厳格な信用を保証することが
できる仕組みがあれば、
銀行というあんなに大きな建物と、
あんなに大人数の銀行員は要らない。
 
==================
 
 
 
 

 
 
もし、人間がやるよりもシステムが全自動でやった方が
速く・正確で・効率が良いということであれば、
当然システムでの全自動へと切り替わって行く。
 
 
「この仕組みがあれば、
 銀行関係なく、お金の信用を保証できるのでは?」
という発想から生まれたのがビットコインというお金だ。
 
さらに言うとこの問いは、
ビットコインというお金を成立させた
ブロックチェーンという仕組みの本質でもある。
 
 
 

 

第三次産業革命の本質は「メディア運営の自由化」


第四次産業革命が僕たちの暮らし、
そしてビジネスをどう変えるかを考えていこう。
それを考えるためにひとつ前の産業革命を振り返ろう。
 
 
 
第三次産業革命である情報革命。
それは人類のビジネスをどう変えたのか。
 
一言で言うと、
「メディアビジネスを誰でも自由に行うことが出来るようになった」
ということが言える。
 
 
情報革命前の映像メディアはテレビしかなかった。
テレビ局が非常に大きな影響力を持っていた。
 
 
メディアビジネス自由化の例 〈テレビ局〉
情報革命後はYouTubeなどのサービスを用いることで
誰でも動画コンテンツを全世界に公開することが出来るようになった。
 
つまり誰でもテレビ局を運営することが出来るようになったということ。
 
優秀な経営者がYouTube内でテレビ局を運営し
お客に価値を提供している。
 
  
 
メディアビジネス自由化の例 〈新聞社〉
情報革命後は
メルマガ配信スタンドなどのサービスを用いることで
大勢に対して任意の文章を送ることが出来るようになった。
 
つまり誰でも新聞社を運営することが出来るようになったということ。
 
優秀な経営者がメルマガ内で新聞社を運営し
お客に価値を提供している。
 
 
 
 
メディアビジネス自由化の例 〈雑誌社〉
情報革命後は
ブログサービスを用いることで
大勢に対して任意のデザイン、文章、写真、イラストを
見てもらうことが出来るようになった。
 
つまり誰でも雑誌社を運営することが出来るようになったということ。
 
優秀な経営者がブログ内で雑誌社を運営し
お客に価値を提供している。
 
 
 
これらは一言で言うならばまさに
『メディアビジネスの自由化』。
 
誰でも簡単にメディアを運営できるようになった。
それが情報革命がビジネス界にもたらしたものの本質である。
 
 
  
 
 

第四次産業革命がもたらすフィンテック2.0は
 『銀行業と証券業の自由化』


 
 
 
仮想通貨が生み出されたことにより
誰でもお金を発行することが出来るようになった。
 
 
つまり誰でも
『銀行業を運営することが出来るようになった』という事。
これに気づいている人が驚くほど少ない。
 
 
 
暗号技術とプログラミングを理解した人ならば
誰でも仮想通貨という名のお金を発行することが出来る。
(ある種の仮想通貨は
 トークンという疑似通貨を誰でも簡単に発行することができる)
 
 
大事なので繰り返すが、
『誰でも中央銀行になることが出来る』という事だ。
通貨発行権を個人が持てるんだよ。
 

 
  
 
 
さらにその仮想通貨を使えば、
誰でも資金調達をすることが出来るようになる。
 
つまり『誰でも証券業者になることが出来る』。
 
 
仮想通貨がバブルだった2017年、
ICO(Initial coin offering)という
仮想通貨を用いた資金調達手段が出現した。
これは企業が行う株式発行と考え方は全く同じだ。
 
 
事業運営の計画書であるロードマップを乗せた計画書
「ホワイトペーパー」を公開し、
事業に賛同する人から出資を募る。
 
株式の代わりに仮想通貨を発行し
それを投資家に購入してもらい、事業の運営資金を得る。
 
もし事業がうまくいけば、
出資者は投資に祭して受け取った仮想通貨の値上がりを期待することができる。
 
まさに証券発行だ。
 
 
ICOが株式上場と異なるのは,

〈企業側からすると〉
 ① 株式上場のコストがかからない
 ② 持ち株を渡すのと違い、議決権を持たれないなど
 
〈出資者側からすると〉
 ① 世界中の中から案件剪定できる
 ② 少額からでも投資可能など
 
 
 
 
これが第四次産業革命がもたらす
銀行業、証券業の自由化である。
 
 
  
かつてインターネットの普及によって
テレビ、新聞、雑誌の事業が衰退に向かったように
これから銀行業、証券業は極めて激しい自由競争にさらされる。
その結果既存の金融機関は衰退に向かうことが予想される。
 
 
金融業界が次々と悲鳴を上げ始める一方で、
元々の既得権益に縛られず優秀な経営者が銀行業、証券業を運営し
お客に価値を提供して膨大な金額を稼ぐことも大いに考えられる。
 
 
 
 

Facebookの仮想通貨「リブラ」


 
Facebook社が開発した仮想通貨
「リブラ」が世間を騒がせている。
 
これがまさにこの流れだ。
FacebookはFRB(Federal Reserve Board、連邦準備理事会。アメリカの中央銀行のようなもの)
とは一切関係なく通貨を発行する。
 
 
リブラなどの仮想通貨に対する各種のマイナス意見、
「通貨発行という国家権力の根底への挑戦という受け止めがある」
 
「各国当局が多大なコストをかけて維持している金融システムへ、タダ乗りする事への懸念」
 
「マネーロンダリングの温床になるという危機感もある」
 
これらの議論については
明日以降に書く。
 
 
 
 
 
 
<参考書籍>
 
「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)」


「ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか」

 
「ブロックチェーン革命 分散自律型社会の出現」

 
「スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 マクロ編」