Pocket

中国でバブルがはじけている

かなり高い経済成長を続けてきた中国が
ここ数年でかなりいろんな分野への投資熱が高まってバブルを発生させていた。
 
・チベット犬(チベタンマスティフ)
・フカヒレ
・白酒(バイジュウ)
・赤珊瑚
・翡翠
・シェア自転車
 
チベット犬のバブルは崩壊し、
それが生んだのは野犬の群れ。
シェア自転車ビジネスもルールが守られずに
放置自転車で溢れかえっている。社会問題に。
 
 

中国不動産バブル


そんな中で最も大きなバブルと言われるのが
不動産。
 
中国の急成長の原動力となっていたのがこの不動産。
不動産マンションやオフィスビルの建設されて
価格も急激に上昇した。
 
中国の不動産建設がどれほど異常かわかる
面白いデータを見つけた。
 
その不動産を作るのにはセメントが必要。
  
20世紀のアメリカで
100年間に使われたセメントの量が
45億トン。
 
それに対して中国は
2011年〜2013年の3年間で
なんと66億トンのセメントを消費している。
 
 
セメントっていうのは1立方メートルつまり
1m× 1m× 1mで
2.3トンの重量になる。
 
そのブロックで考えると
28億7,000万個。
 
一列に並べると287万km。
地球約70週分。
 
 
日本のバブルの際は東京23区の地価が
アメリカ全土の地価と同じになったという話をしたが、
 
中国の場合は
どれだけマンションやオフィスビルが
建設されまくったかというのがわかる。
 

鬼を呼んだ中国の3大プロジェクト

この不動産バブルから生み出されたのが、
 
「鬼城」(おにじょう、きじょう)
と呼ばれるゴーストタウン。
 
中国語で「鬼」とは幽霊のことだ。
 
 
<中国の3大鬼城>
 
① 世界一高いビル「天空城市」
② 世界最大規模の工業団地「曹妃甸(そうひでん)工業区」
③ 世界一の巨大モール「新華南モール」
 


① ゴーストのように消えた、世界一高いビル「天空城市」


中国内陸にある湖南省、省都の長沙市。
ここには世界一高いビルの建設計画があった。
 
その名は「天空城市」。
2013年7月建設開始。
 
220階建て。
3万人収容。
 
高さ838メートル。
現在世界で最も高いビル、
ドバイにあるブルジュハリファよりも10メートル高い
壮大なプロジェクトだ。
 
 
手がけたのは中国の「遠大集団(えんだいしゅうだん)」
中国建設大手で、
売上高は560億円、世界70カ国に展開する企業だ。
  
 
遠大集団の特徴は超スピード工法。
 
柱や壁・床を工場で作り、現場で組み立てるという
独自の工法で、
30階建てのビルならわずか2週間。
世界一高いビルも3ヶ月あれば建設できるという。
  
 
その世界一高いビルは今どうなっているか。
建設予定地には広大な池が広がっていて、
高い建物は全く見当たらない。
 
実は着工から4日後、
認可されずに建設中止となっていた。
 
予定地は水が溜められ何故か魚の養殖場に。
 
まさに「天空城市」プロジェクトは
ゴーストのように消えてしまった。
 
 
 


② 巨大鬼城と化した世界最大の工業団地「曹妃甸工業区」


2つ目の世界1プロジェクト
世界最大規模の工業団地。
 
場所は河北省、 
曹妃甸(そうひでん)工業区。
 
 
東京23区の半分という広大な土地に企業を誘致。
投資額は9兆1000億円。
 
そんな途方も無い額が投じられた国家プロジェクト。
しかし企業誘致は全く進まず、現在債務に喘いでいる。
 
文字通り、巨大鬼城=ゴーストタウンと化している。
 
 
 

③ 中国が生み出したゾンビ「新華南モール」


3大ゴーストプロジェクト、
3つ目の舞台は
広東省、東莞(とうがん)市。
 
新華南モール。
 
オープンした2005年当時は世界最大規模。
その後ドバイに抜かされたが
それでも世界2の国規模を誇る。
 
ただ、客入りはなく廃墟のようになり、
併設された遊園地のアトラクションも無人。
 
「鬼商城=ゴーストモール」と呼ばれ、
99%のテナントが撤退した。
 
 
しかし、
99%のテナントが撤退していたにもかかわらず
数年後には大規模な追加投資で施設を綺麗にし直し、
若干誘致に成功している 。
テナント料を1年間0円にしたりというキャンペーンを使って。
 
どこが再投資をしたかというと
周囲の不動産業者。
 
そのモールが賑わえば、
周囲の不動産マンションなどが売れるからだ。
 
 
一度死んだはずなのに
何故か生まれ変わったゴーストプロジェクト。
そこにはある秘密が。
 
あえて潰さない。
 
このようなプロジェクトは、
銀行からお金を借りてやっているので、
潰したり潰れたりすると
そのお金が返済できなくなってしまう。
つまり銀行にとって不良債権になってしまうということ。
 
 
 
死んだように見えて生き返ってくるというのが
中国の不動産の特徴で、
いうなれば「ゾンビ不動産」。


 
不死鳥のように華麗に復活すればいいのだが、
死んだと思われていても無理矢理蘇生させて
生きているように見せかけるということ。
 
潰さないためにさらなる追加投資をして、
ゾンビになっている。
 
 
ゾンビは不動産だけじゃ無い。
中国にはゾンビ企業もある。
 
ゾンビ企業を退治すると
失業者が600万人出てしまうため
本質的な解決はほど通い。
  
  

これらの壮大なプロジェクトの建設資金はどこから来たのか

シャドーバンキング。
銀行を介さない金融取引の総称。
特徴は高利回り。
 
個人や企業からお金を集めて
不動産開発案件などに貸し付ける。
 
このシャドーバンキングのお金の流れというのが
ゴーストタウンを作る資金源になっている。
 
シャドーバンキングの背景には
地方政府がある。
 
  
中国は中央政府以外にも省・ 市 ・県など
いろいろなレベルで地方政府がある。
 
それぞれ独立した政策をとって経済運営をしている。
 
実績を上げた幹部は出世することができる。
その実績を上げるために使われたのが
シャドーバンキング。
 
それぞれ地方政府のトップは出世したいと思うと
自分の地域のGDPの伸び率を上げなければいけない。
経済を成長させなければならない。
 
成長すれば栄転できるということで
とりあえず自分の任期中に
すぐ成果が出るプロジェクトをやりたがる。
 
 
そこで不動産に目をつける。
不動産開発というのは
ビルを建てて道路を作れば良いわけなので
1〜2年ではっきりとした経済効果が出る。
 
 
だから中国の役人は
こういう不動産開発プロジェクトというのを
どんどんやりたがるという構造になっている。
 
 
なぜゴーストタウンを発生させるリスクを抱えたまま
不動産開発を進めるのか。
 
これには
中国の出世の仕組みが関係している。
 
不動産開発で経済が成長し、
役人は実績を出したということで栄転して行くわけだけど、
 
投資した土地がゴーストタウンになるのは
自分がその場所を去った後の話。
 
昔の任地でゴーストタウンが発生しても
「俺の知ったことか」ということになる。
 
 

 

シャドーバンキングがお金を集める仕組み

具体的なやり方としては、
自分たちでやるといろいろ問題があるので
地方政府の別の組織を作る。
  
 
ここで資金集めの方法として生み出されたのが
「理財商品」だ。
 
この理財商品を
地方政府が主導してたくさん発行した。
  
銀行に預けるよりも利率が良いので、
市民がこぞって買ったが、
焦げついたらみんなが困ってしまうという
構造になっている。 
 
理財商品ってのは 
まぁ投資信託みたいなもの。
 
・商品名
・運用期間
・最低投資金額
・年利
・満期がいつか
 
という情報程度しかない。
 
 
そして理財商品の多くは運用先が不透明。
 
例えば
 
債権:0〜90%
銀行間取引:0〜50%
銀行預金:0〜90%
その他:10〜100%
 
このような感じ。
 
 
理財商品が人気になる背景としては
中国の預金金利の規制がある。
 
中国では銀行預金の金利の上限が規制されているので
より高い金利を求めて
こういう商品にお金を出したがる人は多い。
 
 
ここで集められた金額が不動産開発に向かっていった。
不動産開発をやって当然不動産価格が上がっていけば
開発プロジェクトは莫大な利益を生んで、
借りたお金も返済できるし高い金利も払える。
こういう好循環が続いている事は問題ない。
 
でも中国の現状は。。?
 

各国のバブルとの比較

日本で起きた不動産バブル
 
1 91年頃に崩壊した日本のバブルの際は
不良債権の額は約100兆円。
GDPは474兆円。
 
 
次はアメリカ。
リーマンショック時にGDP 1,407兆円に対して
負債不良債権の額が約330兆円。
 
 
それに対して中国のバブルは。
中国の不動産における不良債権で
公表されている額を見ると、
不良債権が膨張を続けているのわかる。
 
2019年6月末の残高は
2兆2352億元(約33兆円)と
18年末に比べ1割増えた。
 
日本のバブル崩壊の時は100兆円だから、
それに比べるとはるかに少ない。
 
これは明らかに数字がおかしいということで、
一部では実際には400兆円ほど
あるんじゃないかと言われている。
  
 

まとめ

リーマンショックが発生した時、
アメリカがとんでもない経済の損失を被ったと見るや、
中国はここがチャンスとばかりに
一気にアクセルを踏み込んだ。
 
中央銀行の金利を引き下げ、
約60兆円のインフラ投資をした。
 
そのインフラ投資が
この不動産バブルの最初の一手になったということだ。
 
ただ、悪いことだとも言い切れない。
 
リーマンショックでアメリカの経済が
一気にどん底に落ちたときに
中国経済までコケていたら
世界経済全体がバブルの崩壊どころじゃない
状況になっていた可能性はかなり高い。
 
ただ重要なのは、
そこで儲かったお金を何に使ったのかということ。
 
 
中国の金持ちは
不動産や株のバブルによって儲かったお金で
何を買ったかといったら
ヨーロッパの高級時計や日本での爆買い。
 
つまり経済状況が一時的に良くなったとしても、
その時に次の投資をどうするかということを考
えることが重要。
 
一旦儲かったからといってパーっと使ってしまったり
遊んでしまったらその後の時代に動けなくなってしまう。
 
弾けないバブルは無いとはよく言うが、
一度好景気を体験したときに
そこでの蓄えをいかに再投資に回すか。
しかもその再投資の向け先は堅実なものでなければならない。
 
で実際僕たち日本人にとって
どのような影響があるのか
つまり景気に影響するかと言うこと。
 
 
これは端的に言ってしまえば
韓国やヨーロッパに比べると影響を受けにくいと言える。
  
例えばドイツのフォルクスワーゲンという車は
中国市場で1番売れている車。
 
このフォルクスワーゲン社の
中国市場への依存度は30%。
 
それに比べて日本のトヨタの
中国市場への依存度は約10%。
 
その他にもここ10数年の日本は
製造業の生産拠点を中国の外に移す
「チャイナ・ プラス・ワン」を進めてきた。
 
そのため企業によっては
もう生産拠点が中国にはないというところもある。